

山の手に対して隅田川、荒川を抱えた一帯を“川の手、海の手”と呼ぶようです。いわゆる「下町」と呼んでいた地域が次々と再開発され、従来の下町という括りでは追いつかない、そんな現状から「川の手・海の手」の呼称が生まれたようです。確かに高層マンションの立ち並ぶ景観は「新たなブルジョアジー」の進出そのもの。下町と呼ぶにはおそれ多い気がします。
今回は坂道というテーマは幾分希薄ではありますが、時代の坂を急激に上らんとする正真正銘の下町、浅草から向島方面へと隅田川の風に吹かれてぷらり。果たして・・・いやあ、まだまだありましたよ、残ってます、「ぬけられます」が。
人と人との縁はよくある話ですが、家が取り持つ縁でできたお店がここ、nagaya shop mittaです。店主の山西さんのお人柄も手伝って、借りた長屋の雰囲気が次々と人を呼び寄せてりっぱなお店が出来上がりました。フランスのアンティークや日本の作家ものが並べられた店内は、さながら昭和の駄菓子屋さんのよう。一つひとつのモノたちは小さくて特別に主張があるわけではないけれど、全体を見回すとどれもが時代や温かみを放っていて目を引きます。少しだけ歪んで見える引き戸のガラス越しにmittaワールドを作り上げた山西さんに、ここちよさについて話をうかがいました。